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8人乗りリフト(エイトパック)
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8人乗りリフトの例:
ウェイバーマード・バーン/ オーストリア・レッヒ
現在、世界で最も乗車人数の多いチェアリフトは8人乗りのエイトパック(8Pack)。2000年にオーストリアで初めて導入され、現在、世界で約120基以上が稼働中。
その殆どがオーストリア・イタリア・スイス・フランスなどヨーロッパのスキー場に集中しており、北米では2023年にカナダのウィスラーに導入されたものが第1号。国内には導入事例は無い。
基本スペックはドッペルマイヤー製の最新型の場合で1時間あたりの最大輸送能力約4,000名、最高速度6m/sでシートヒーターと自動セーフティバーロックなどのオプションがある。
6人乗りや8人乗りのリフトは、フル乗車の場合は大人数が一斉に乗車するため、下の写真のようにチケットゲートから乗車位置までは連動式ムービングベルトが自動的に運んでくれる。
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赤いラインで乗車位置が8つに区切られているムービングベルト。
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6人乗りリフト(シックスパック)
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6人乗りリフトの例:
トップ・オブ・ザ・ワールド・エクスプレス/カナダ・レイクルイーズ
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6人乗りのチェアリフトはシックスパック(6Pack)と呼ばれ、現在、国内外で約1260基以上が稼動中。
基本スペックはドッペルマイヤー製の最新型の場合で1時間あたりの最大輸送能力約3,000名、最高速度6m/sで、シートヒーター等のオプションがある。
上記の通り、最新の6人乗り以上のチェアリフトの輸送能力は、従前の6人乗りゴンドラリフト(普通索道)より優れていて、現在国内のスキー場で最も多い1980年代から90年代前半に架設された6人乗りゴンドラリフトの標準的なスペックは1時間あたりの最大輸送能力は平均で約1,800-2,400名、最高速度4m/s-5m/sとなっている。

フード/シートヒーター付き6人乗りリフトの例:
アルペンローズ/ イタリア・アルタバディア
国内の6人乗りリフトは永らく1997年に架設されたものが1基のみだったが、2017年に約20年ぶりにニセコビレッジに投入され、以降、各地の資本力のあるスキー場を中心に新設またはクワッドからのリプレイスが進んでいる。

6人乗りの場合、連動式ムービングベルトのレーンは当然6つ。
また、2021年にニセコHANAZONOでクワッドからリプレイスされたPOMA社製6人乗りのHANAZONO第1リフトでは、従来のベンチ型シートから独立型の本皮シートへ変更するなど、単に移動手段としてだけでなく快適性や高級感も意識する現代のスキーリフトのトレンドが表れている。
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クワッドリフト(4人乗りリフト)
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クワッドリフトの例:黒菱クワッド /白馬八方尾根スキー場(長野県) |
4人乗りのチェアリフトはクワッドリフトと呼ばれ、現在、国内外の中規模以上のスキー場では最も多く見られるリフト。
クワッドは自動式グリップのものが殆どで、自動式は高速リフト(High Speed Chair Lifts)とも呼ばれる。速度は国内最速クラスのクワッドで最高速度5m/s。
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フード付クワッドの例:
ホテル第3クワッド /赤倉観光リゾートスキー場(新潟県) |
なお、自動式と比べると数は少ないが、固定式グリップのクワッドもある。
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固定式クワッドの例:トロワバレー1 / フランス・ヴァルトランス |
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トリプルリフト(3人乗りリフト)
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自動式トリプルリフトの例:舞子トリプル /舞子スノーリゾート(新潟県) |
3人乗りのチェアリフトであるトリプルリフトには、グリップが自動式のクワッドリフトの座席をひとつ減らしたタイプと、固定式グリップのペアリフトの座席をひとつ増やしたタイプがある。
近年はトリプルが新設された事例は国内外ともに無く、稼働中の路線は希少と言える。
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固定式トリプルリフトの例:第15トリプル /斑尾高原スキー場(長野県) |
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ペアリフト(2人乗りリフト)
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固定式ペアリフトの例:高手ペア / 川場スキー場(群馬県) |
2座のチェアリフトであるペアリフトは中小規模のスキー場を中心に、現在でも多くのスキー場で稼動中。
速度は2m/s前後と低速でグリップは基本的に固定式だが、例外的にフード一体型のセーフティー・バーが付いた自動式ペアリフトもある。
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自動式ペアリフトの例:タワーペア / ルスツリゾートスキー場(北海道) |
ペアリフトはふたり乗りということで、昭和・平成期には旧・コクド系のほか一部のスキー場で「ロマンスリフト」という名称も使用された。
なお、ペアリフトや後述のシングルリフトは、国内ではスキー場以外にも観光リフトや施設内移動用途として稼動しているものもある。これらは前述の鉄道事業法の改正前は、甲種特殊索道(下りも乗車可能なリフト)に分類されていた。
国外では前述の6人乗り、8人乗りリフトの乗車用ムービングベルトのクワッド版やペアリフト版もよく見かける。

ペアリフトの乗車装置 (イタリア/コルチナ・ポコル#4 )
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シングルリフト(1人乗りリフト)
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シングルリフトの例:チロルシングル / 石内丸山スキー場(新潟県)
*現在は廃止:2002年撮影
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1人乗りのシングルリフトは最も古くからある方式のスキーリフト。
索道のグリップは固定式で、基本的にセーフティー・バーは無い。速度は1.8m/s前後と非常に低速で輸送能力は小さい。
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滑走式リフト
国内では旧・丙種特殊索道に分類されていたTバーリフト、Jバーリフトなどの滑走式索道は滑走式リフトのページで書いたのでここでは省略。
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Tバーリフトの例:ショーケースTバー(カナダ/ウィスラー)

Jバーリフトの例:コル・ダルシェA(イタリア/ドロミテ)
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近年、国内でも最新式の索道が積極的に導入され始めているが、国内のスキー場で稼働中の4人乗り以下の特殊索道には架設後40年以上が経過したものが多数存在する。こういった「レガシー」なリフトの世代交代となるリニューアル、またはリプレイス等は今後さらに進んでいくと考えられる。
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