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ARLBERG Austria |
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2025/2/25 オーストリア アールベルグ
今回は、2025年2月に訪れたオーストリアのスキーリゾート、アールベルグ(Arlberg)の新ゴンドラの現地レポート。

アールベルグの10人乗りゴンドラリフト+8人乗りリフトのコンビリフト。
【スキーと索道の聖地オーストリア】
スイス・イタリア・ドイツ等に隣接したオーストリアはスキー発祥の国として知られ、アールベルグ、キッツビュール、イシュグル、インスブルックなど多くのスキーリゾートがある。
オーストリアはスキーの聖地と言われているだけに、索道の聖地でもある。オーストリアの国土の面積は北海道と同じくらい(約83,870ku)だが、索道の総数は2,700基以上。
なお、比較的索道が多い国である日本の場合、国交省に届出のある索道の総数は、開業予定を含めて国土全体で2,117基となっている。
【アールベルグについて】
アールベルグはチロル州とフォアアールベルク州にまたがる総面積約4,970ha(志賀高原の18のスキー場の合計の10倍以上)の世界屈指のスキーリゾートで、標高は1,400mから2,811m。

アールベルグ全体図 上半分がレッヒ・ツールズエリア、下半分がサンアントンエリア
アールベルグは単体のスキー場ではなくスキーリゾートの総称。レッヒ、ツールズ、サンアントン(サンクト・アントン)、シュトゥーベン、サンクリフトフなど8つスキー場から構成されている。
以前はレッヒ・ツールズエリアからサンアントンエリア間のスキーでの移動には複数回の索道の乗り換えが必要だったが、2016年にフレクセンバーン(Flexen
Bahn)という両エリアを結ぶ索道が完成し、機動性がアップした。

レッヒ・ツールズエリアとサンアントンエリアを結ぶフレクセンバーン。
ちなみに、バーン(Bahn)とはドイツ語で道・鉄道・列車といった意味で、ドイツ語圏であるオーストリアの普通索道は「○○バーン」という名前が多い。
【アルボナバーンI&II】
今回の新設索道は、シュトゥーベンで昨シーズン(2023-24シーズン)に運行を開始したアルボナバーンI(Albonabahn
I)と、サンアントンで2016-17シーズンに運行を開始したアルボナバーンIIという2つのMGD(単線自動循環式ゴンドラリフト)。ともにクワッドリフトからのリプレイスとなる。

アルボナバーンIは8人乗りのOMEGA V-8
I、IIともにキャビンは現在ヨーロッパや北米のスキーリゾートのゴンドラの主流の第5世代ゴンドラリフトであるCWA(ドッペルマイヤー)製のOMEGA
V。最近は国内での架設数も徐々に増えている。
OMEGAシリーズについては野沢温泉スキー場の新長坂ゴンドラやキロロのゲートウェイエクスプレスなどで書いたのでそちらを参照。
アルボナバーンIは、8人乗りのV-8。もう一方のアルボナバーンIIは10人乗りのV-10で、こちらはキャビン上部にシートヒーターに給電するソーラーパネルが搭載されている。

上部にシートヒーター用ソーラーパネルが搭載されたアルボナバーンII
その他、アールベルグには索道に関してはフニテル、交走式ロープウェイ、コンビリフト、6人乗り・8人乗りリフト、サーフェスリフトなどあらゆる種類の索道が縦横に架けられている。

レッヒとオーバーレッヒを結ぶ80人乗りロープウェイのベルグバーン。
【訪問記】
今回滞在したのは、アールベルグの中心地のレッヒ(Lech)。
レッヒはヨーロッパの王室や富裕層御用達のスキー場として知られていて、ダイアナ妃も生前、毎年家族でスキーに訪れていたとか。チューリッヒ(スイス)から車で2時間程度とアクセスが良く、スキー場の駐車場に停まっている車は殆どが新車のBMW
iXやベンツのSクラス
では都会化された街なのかというとそうではなく、チロル地方の山並みが広がる静かな街。レッヒは、のどかな自然の中で快適な文化生活がおくることができる国と言われるオーストリアらしいスキーリゾート。

静かで落ち着いたスキーリゾート、レッヒ。
斜面に関しては、アールベルグ全体としてみた場合、ハードパックされた高速バーンとファミリー向けのバーンとが混在する典型的なヨーロッパのスキーエリア。北米のスキー場のようなパウダー&深雪の環境はほぼ無いが、パークは多い。
スキーとボードの割合は大体8:2くらいで圧倒的にスキーヤーが多く、老若男女を問わずレベルが高い。

滑り疲れたら山頂テラスでビール!
【おまけ】
嫁が宿のスタッフからレッヒ近くのオーバーレッヒの高原に「ハイランド牛」が居るという話を聞いたので、見に行くことにした。
ハイランド牛はスコットランドのハイランド地方の在来種で長い毛と大きなツノが特徴的な牛。「おさるのジョージ」でその存在を知って以来、一度見たいと思っていたので、実物を見ることができてラッキーだった

夏は放牧されているというハイランド牛は冬場は牛舎の中にいた。

名称 |
Albonabahn I |
Albonabahn II |
事業者 |
Ski Arlberg |
索道の方式 |
MGD |
MGD |
総延長 |
1,115m |
2,172m |
高低差 |
440m |
687m |
速度(毎秒) |
5.0m |
6.0m |
乗車時間 |
4分10秒 |
6分40秒 |
最大乗車人数 |
8人 |
10人 |
最大輸送(毎時) |
1,600人 |
2,000人 |
施工 |
Doppelmayr |
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