失われたロープウェイ - Ropeway Archives
ロープウェイ 索道
日本初のコンビリフト ニセコ ビレッジ エクスプレス 
ニセコ  キロロ YU Kiroro コンビリフト Niseko Village Express ニセコのコンビリフト

【北海道/ ニセコ ビレッジエクスプレス 】

2017/1/7
今回は、北海道・ニセコ町で今シーズン(2016-17シーズン)から運行を開始した2つの新設索道をレポート。

一般に「ニセコ」というと、ニセコユナイテッド(ニセコ全山)と呼ばれるアンヌプリ山(標高:1,308m)の斜面に拡がる4つのスキー場(グランヒラフ、ビレッジ、アンヌプリ、花園)の総称。今回の索道は2基ともに、ニセコビレッジスキーリゾートに新設されたものです。

ニセコビレッジ(旧・ニセコ東山スキー場)は1982年に西武グループのコクドによって開発されたスキーリゾートで、2006年に米国のシティ・グループに売却された後、2010年にマレーシアのYTLに買収されました。

国内初のコンビリフト ビレッジエクスプレス
国内初のコンビリフト、ニセコビレッジエクスプレス。

ではまず、「ニセコビレッジエクスプレス」から。同索道は国内初のコンビリフト(ハイブリッドリフト)と呼ばれる方式の索道で、同じ索道設備にゴンドラリフトと高速リフトを混在させるシステム。デタッチャブル同士を混在させようという、理にかなったシステムです。

コンビリフトは北米やヨーロッパのスノーリゾートでは既にかなり普及していて自分も何回か利用したことがありますが、国内でコイツを見るのは初めて。ご覧のとおり同じ支曳索にゴンドラとリフトが交互に架かっています。

この方式を最初にテレミックス(TeleMix)という名称で製品化したのはPOMAで、ドッペルマイヤーではテレコンビ(Telecombi)、コンドラ(Chondola)、などの名称で組み合わせインストール型の設置方法を採用。その他、各社独自の名称をつけているようです。

ニセコのコンビリフト ビレッジエクスプレス
このようにゴンドラとリフトが交互にやって来る。

ビレッジエクスプレスは、6人乗り高速リフトとドッペルマイヤー傘下のCWAの8人乗りのゴンドラとの組み合わせで、施工は日本ケーブル梶B

ゴンドラにはスキーラックは無く、キャビンの床部分の穴に板を挿す方式。ちなみに6人乗りの高速リフトは、4人乗りのクワッドに対しシックス・パック(Six-Pack)と呼ばれ、国内での導入事例はこれまで一ヶ所(広島県)のみでした。


【ニセコ アッパービレッジゴンドラ 】

もうひとつの新設ゴンドラは「アッパービレッジ・ゴンドラ」。ヒルトンニセコと同じYTLホテルグループのグリーンリーフ・ニセコと、ビレッジエクスプレスの上部停留所間の移動用です。こちらはMGF(単線固定式)の索道で、MGFが国内のスキー場内に架設されるのは初めて。施工は同じく日本ケーブルです。

単線固定式索道、ニセコ アッパービレッジゴンドラ
MGFP(単線固定循環式)のニセコ・アッパービレッジゴンドラ。

今回の2つのゴンドラはホテル側の最下部に、殆どフラットに近い緩斜面のビギナーコースを新設してそこに架けたというカンジ。ハイブリッド・リフトはオールシーズン型のリゾートに架設される場合が多く、ビレッジエクスプレスの場合もスキー専用というわけではなくリゾート内の移動手段を兼ねた通年運行。毎日午後10時まで営業運行(スキー場終了時間以降は法令によりゴンドラ部のみ乗車可)とのことです。

また、ゲレンデに直結しているホテル(ヒルトンニセコ:旧・東山プリンス)の宿泊客の8割以上が外国人で、そのほとんどが中国かアジア諸国からの旅行者なので新設された2基のゴンドラとコースには、スノーレジャーに馴染みが薄い彼らやビギナーにスキーやボードを体験できる施設を提供するという意図★注1もあるそうです。

コンビリフト ニセコ ビレッジ エクスプレス 
ニセコビレッジのホテル側。2つの新設ゴンドラはともにビギナーエリアにある。
−ニセコビレッジ2016-2017ゲレンデ案内より。


国内でも「北海道でスキー」と言えばニセコ、というくらい人気のあるニセコですが、2000年前後からオージーを中心にその素晴らしさが海外にも伝わり、一気に外国人が多数訪れるようになりました。

ピステ部分の総滑走距離は全山あわせて約50Km・索道の総数30基と、規模としてはヨーロッパや北米のスキーリゾートと比べると小ぶりながらも人気が高い理由は極上の雪質だけではなく、新千歳国際空港から近く海外からのアクセスが良いことと、道の外国人観光客の受け入れ強化の効果。

昨年(2016年)9月、道は道内の外国人観光客数の数値目標を300万人から500万人に上方修正★注2しました。

実際、北海道のリゾート系スキー場には、行く度に外国人(特に中国人)の割合が増えているような気がします。冬の北海道を訪れる外国人は、パウダーを求めて欧米や南半球からやって来るスキーヤー・スノーボーダーたち以上に、大陸の富裕層が急増している、というのが実情のようですね。

★注1 ソース:Mountain Watch 2016年3月1日 記事
★注2 ソース:毎日新聞 2016年9月17日 記事


索道データ
名称 Niseko Village Express Niseko Upper Village Gondola
事業者 ニセコビレッジ(株) ニセコビレッジ(株)
索道の方式 Hybrid MGF(MGFP)
開業 2016年12月1日 2016年12月1日
キロ程 816m 250m
最大乗車人数 8人/6人 8人(16人)
施工 日本ケーブル 日本ケーブル
コンビリフト

失われたロープウェイ

索道とは

最新索道レポート





このサイトについて

索道リンク














  もどる