失われたロープウェイ

修善寺ロープウェイ
  
修善寺ロープウェイ
紅葉の桂川を越える「かえで号」 昭和40年代の絵葉書 -

修善寺は今から約1200年前に弘法大師によって開湯されたといわれる中伊豆を代表する温泉地で、古くから多くの文豪に愛されてきました。

修善寺ロープウェイ(別名:城山ロープウェイ)は、地元旅館組合が中心となって架設された1964年(昭和39年)開業の索道

26人乗りの小型搬器が温泉組合観光協会そばの山麓駅から桂川を超え、城山(しろやま:標高248m)という小高い山の頂上までを片道4分で結んでいました。

山頂駅のあった城山には修善寺城という中世の城郭の遺構があり、索道の運行当時は小公園として整備され、展望台もあったようですが、現在は城跡を示す石碑の他はアンテナが林立しているだけで特に何もありません。ピークより一段低いところにある山頂駅跡の施設の一部は、内部を改造して休憩所として再利用されています。

一方、山麓駅周辺は平成初期の伊豆縦貫自動車道の建設に伴う道路の付け替え工事によって、当時と道の様子が一変しています。

休憩所の中に残されている当時の案内図と、越路大橋付近から撮影されたと思われる上の絵葉書の写真から、駅舎は現在の修善寺ICの辺りにあったと思われます。

スキー場と索道
駅跡の休憩所に遺されている運行当時の案内図
1977年(昭和52年)に廃止されたこの索道の実際の運行停止時期は不明ですが、下の1975年の修善寺温泉のイラストマップにはまだ記載されているところから、運行停止から比較的短期間で廃止されたようです。

北米スノーリゾート
Yammini 「伊豆・天城・石廊崎・堂ヶ島」 山と渓谷社  1975 より


【訪問記】2004年2月

ここを訪問した時、城山の登山口へのアプローチが分からず、地元の方と思われる二人連れの年配の女性に道を尋ねたところ、「城山?ああ、むかしロープウェイがあったところね。」という返事で、城山神社の境内から登山道に出られるはず、と教えてもらいました。





海外スキーと索道
山頂駅の一部は休憩所に。

山頂までの自動車道が無いところから、この索道のクローズの理由にモータリゼーションの影響はなかった模様。

今は城山の山頂を訪れる人は少ないようで、日曜のお昼時だったにもかかわらず山頂には私たちの他には、ハイキングと思われる一組の老夫婦がお弁当を広げていただけでした。

周囲の木立が成長し過ぎて展望は殆どありませんが、のんびり時間を過ごすには良いところです。

スキー場のゴンドラ

フランス料理のレシピ
名称
事業者 修善寺ロープウェイ(株)
所在地 静岡県伊豆市
山頂駅名称 城山山頂
山麓駅名称 修善寺温泉
開業 1964年 
1977年
索道の方式 3線交走式
水平長 424.91m
傾斜長 451.42m
高低差 152.43m
支索の最急勾配 27.26°
支柱(基) なし
搬器の種類・数 箱型 2
搬器の名称 かえで/
最大乗車人数 26人
施工 日本ケーブル

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